2021年6月21日投稿
1.はじめに
漁業生産の減少、漁業就業者の減少や高齢化など、水産業界を取り巻く環境は厳しいのが現状です(出典:「水産白書」(水産庁)https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html)。さけ定置網漁の現状も厳しく、先行きは不透明です。

貝塚などの遺跡が示すように、魚を獲ることは人類の歴史とともに始まり、さけ漁に関しても同様に長い歴史・伝統・文化があります。さけの環境を維持し、そして漁業の伝統を継承していくことが、我々漁業者の責務であると考えております。株式会社七協水産は、漁業の未来のためにSDGsへの取り組みを進めています(詳細はこちら)。


2.漁獲量の低下
さけ稚魚放流数は1980年ごろから毎年およそ10億尾を維持していますが、さけ漁獲量は1996年をピークに減少傾向です。このような回帰率(放流数に対する来遊数の割合)の低下は、さけ稚魚が降海してからオホーツク海回遊までの海洋環境の影響や放流適期判断の困難さなどが原因といわれています(出典:「秋サケ資源対策協議会結果(2019年)」(北海道庁))。

北海道のさけ漁獲量とさけ稚魚放流数:「海面漁業生産統計調査」(農林水産省)(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html)及び「増殖事業実績」(公益社団法人 北海道さけ・ます増殖事業協会)(http://sake-masu.or.jp/html/07-01.html)をもとに株式会社七協水産が作成

3.漁業就業者の減少と高齢化
漁業就業者数は減少傾向で、65歳以上の割合は増加傾向です。北海道は全国に比べていずれも変化が緩やかですが、将来的に担い手不足で漁業自体が衰退していくことが危惧されます。

全国と北海道における漁業就業者数とその65歳以上の割合:「漁業センサス」(農林水産省)(https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/fc/index.html)をもとに株式会社七協水産が作成